Saturday, November 22, 2008

院生の個人指導

午前中から午後まで、院生の個人指導にかかりっきりだ。

M1だけに、まだ勉強の仕方というか、研究会で判例評釈の報告をする準備の仕方が全然分かっていない。
関連する判決が沢山あり、それぞれに判例評釈もかなりあるのだが、かなり前にそれらを調べておくように言っていたのにしてない。全部調べて読むという発想がないようだ。

全部しらべて読むというのは当然だと思っていた私は、先週までその点を確認する必要を感じていなかった。実質的に勉強を始めたばかりのM1にとって、他の先生の判例評釈があるというのは極めてありがたいことであり、関連判例もあればあるだけ助かるものだ。それらを読んでまとめるだけでも、最初の判例報告をした価値があるというもの。
M1で2回くらい、そうしたプロセスを経て、自分なりの整理分析につなげていけば、たとえ報告ではメチャメチャだったとしても、基礎的な勉強の仕方くらいは身に付く。判例の射程とか影響度とか、解釈論上の問題点とか、そういう基本的な分析能力が身に付くというものだ。

しかし、よそ様の判例評釈を読ませるのは猿まねをさせるためではない。例えば事案のまとめ方でも、かなり簡略化してまとめてしまうのが通例だが、これはプロの場合、紙幅に限界があるからだ。院生の報告では紙幅に限界などないのだから、細かいところも忘れずに、きちんと調べて理解し、質問があればすぐ思い出せるようノートをとっておくことが必要だ。
というか、院生の報告者なんだからせめて事実関係くらいは満足に説明できるようになっていろというものである。

今日の院生は、そのあたりがそもそも全く分かっていなかったので、とにかく一緒に判決文を読んで、重要な事実について一緒にノートをとってやり、なぜ重要かを口頭で説明し(この口頭説明が自分で出来るようにならねばならない)、かなり複雑で長期にわたる事実関係なので、人間関係も理解できるような相関図をまとめるように指示し、見本的に自分で書いて見せ、そんなことをやっていたら3時間くらいあっという間にすぎていった。

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