Wednesday, October 22, 2008

採用人事はコネか?

スタバもハロウィンの季節である。

採用人事はコネかと若い院生に直接聞かれることは滅多にないが、そんな話をしているのを横で聞くことはある。

そもそも公募制をとっていない場合はコネ以外の何物でもないのだが、ただこの世界はコネがあっても業績がなければダメである。
公募制をとっていても、いわゆる出来レースの場合は、コネがものをいうということになる。しかしその場合も、コネで採用の対象にしても、業績がなければダメである。

要するに、コネ採用だと非難されるのは公募の出来レースや非公募制のことで、採用候補者へのアクセスが限られているというところにあるのだ。しかしいずれにせよ、採用が決まるためには、それなりの業績がなければならない。

実際出来レース公募の場合も、既に意中の人がいる採用担当者ですら翻意するほどのよい人材が見つかれば、そちらに乗り換えることだってある。現に身近な研究者でそういう例があった。その場合、意中の候補者候補には採用を前提に応募してほしいと伝えてあるのが常だから、そのあげくにダメでしたということになれば、その人とも、その人を紹介した人とも関係がまずくなるわけだが、ある程度経験を積むと、その辺は慎重になる。絶対確実というような言い方はしないで、逃げ道を用意しておくのである。

また、非公募制で、こちらから採用を持ちかけるケースでも、採用担当者限りでは、あるいは審査委員会限りではオーケーが出たのに、教授会が通らなかったこともある。大学によっては異例ながらないわけではないということになるが、また大学によっては日常茶飯事に近いくらいあることもある。その場合は、一人二人の反対ではなく、教授会メンバーが多数反対に回るということなので、何らかの政治的な動きが原因か、はたまた傍目にも分かる候補者の非力さが原因である。 後者のケースで人事が失敗に終わると、採用担当者はとんだ赤っ恥を掻くことになるが、そういうものだと割り切れば割り切れないことではない。
教授会で否決されたからといって、みんながみんな東大教養学部のケースのように辞職するというわけでもないのだ。

公募と非公募(一本釣り)とのそれぞれにも、採用する側としては一長一短を感じざるを得ない。公募なら一応来たいという意思を持つ人を対象として審査すればよいので、採用を決めてから断られるという苦労はない。これに対して一本釣りタイプだと、学内的にこの人と決めても断られることがあり得る。
他方、公募なら常勤の職を持つ人、つまりは経験者で有能だということだが、そういう人が気軽に応募することは難しいので、よほど何か職場を変わりたいという事情を抱えている人しか応募してこない。それ以外は若手の、初めての就職というレベルである。そういう中に有能な人が含まれているかどうかは、結構ギャンブル的である。対して公募なら有能な人を一本釣りするわけだから、そういう苦労はない。

昨今の法学部就職事情は、ロースクールのせいで人材が枯渇し、特に需給バランスが崩れている商法・民訴・行政法は人手不足もはなはだしいとのことである。それにしては就職できない助教も院生もいるような気がするが、まだミスマッチは残っているのかもしれない。
就職を望む側からすると、すがるような思いでJREC-inを見たりするし、採用側でもReaDを物色したりするのだが、なかなかいい人材には出会わない。

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