Monday, September 03, 2007

慶應ロースクールのスキャンダル

慶應大学の植村元教授のスキャンダルについては、その後の世間の反応とも相まって、ますます混迷の度合いを深めている。

朝日新聞の社説は、法科大学院の教員を新司法試験の出題委員からはずせと言っており、これはネット掲示板と同意見のようだ。
短絡的な意見であり、実際上も実行はなかなか困難であろう。大体受験生と接触する可能性のある研究者・実務家をすべて外すというのは無理な話で、逆にそこにファイアウォールを築いてしまうと、試験を受ける側と出題する側とがますます遊離してしまう。
本来、法律実務家養成の学校教育の内容と、法律実務家として最低限の能力を試す試験の内容とは、一致しているべきなのだ。

このことはもちろん、法科大学院の教育内容が実務家として最低限必要な知識と技術を伝授するに足るものになっている必要がある。そして第三者評価は、この教育レベルに最大のポイントを置いて実施すべきだ。

べき論ばかりになり、現実が追いついているのかどうかははなはだ心許ないが、ともあれ出題者と教員とを分離せよと言うのは、本末転倒な話なのである。

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